お正月は特別ですよね
。
神様、歳神様が家にいらっしゃるのです。
ですから、その神様をおもてなしするのに、台所で家事をしていてはいけないのです。
失礼なこととなってしまいます。
そこで日持ちのするもの、しかも縁起のいいものを重箱に詰めておき、その間は料理をしなくても済むようにしたのです。
また、正月には火を使わずに、竈神にも休んでいただこうという意味もあります。
そういう理由でお正月くらいは家の女性に料理を休んでもらおうということなんですけれどね。
でもこれは平安時代からのことなのですよ。歴史がありますね。
ここではお正月によく食べられる縁起のいい食材、食べ物をご紹介しましょう。
目次
お正月のおせち料理の食材の意味
お正月のおせち料理には普段はあまり食べない食材を使い、見た目も豪華になっていますね。
神様へのお供えという意味があり、また実際に食べる家族の健康や安全への願いが込められているんですよ。
おせち料理の食材の意味を考えてみます。
現在は昔のようにすべて家庭で料理するということは少なくなってきました。
ホテルやデパートやスーパーで予約販売のものを利用するのも当たり前の時代です。
確かにお一人様用なんていうのもあって便利ですよね。
ただそこに使われているひとつひとつの食材の意味を知っておくのもいいかもしれませんね。
海老
腰が曲がるまで長生きできますようにという、長寿の願いが込められています。
また、赤色は魔除けとなり、あるいは、朱色は晴れやかな祝いの色であるという意味もあります。亜鉛が豊富に含まれています。
数の子
たくさんの卵がつまっていることから、子孫繁栄の意味があります。ニシンの卵ですが、ニシンは二親に掛かっています。
黒豆
マメに暮らしていけますようにという意味があります。健康でいられるようにという意味もあります。
金柑
「金冠」という当て字から、金運を得られるようにという願いが込められています。
伊達巻
華やかな玉子巻きの料理として晴れの料理を演出しています。
巻物の形は書物に似た形である事から学問や文化を意味し、学問や習い事の成就を願っています。
栗きんとん
栗金団と書き、金運に恵まれるという意味があります。今年も豊かに暮らせますようにという願いが込められています。
食物繊維やビタミンCが豊富です。
紅白なます
生の大根、人参、魚介を酢であわせたものです。
お祝いの水引を模していて、紅白にはおめでたいという意味もあります。
平安、平和を願う縁起物です。大根にはジアスターゼ、人参にはβカロチンが豊富です。
田作り
片口鰯の稚魚を干したものを醤油風味の飴炊きにしたものです。
田畑の高級肥料として片口鰯が使われていたことから豊作を願って食べられます。
ごまめとも呼ばれます。
たたき牛蒡
深く根をはる牛蒡のように安泰に暮らせるようにという意味があるそうです。
形や色がめでたいことの起こる前兆とされる鳥である瑞鳥を連想させることから豊作を願って食べられます。
食物繊維が豊富です。無病息災という意味もあります。
いくら
数の子と同様に子宝に恵まれますようにという意味があります。
鯛
祝い事の定番の縁起物です。めでたいという語呂合わせでもあります。
たんぱく質、ビタミンB1が含まれます。
昆布巻き
よろこぶにかけた語呂合わせです。
一家の発展を祈っています。中身は鰊、牛蒡、小女子などさまざまです。昆布にはビタミン、ミネラルが非常に豊富です。
鰤の焼き物
出世魚であることから出世を祈願したものです。
紅白かまぼこ
半円形は日の出に似ていることから新しい門出にふさわしいとされています。
カルシウム、良質なたんぱく質が豊富で、低カロリーです。
赤は魔除け、白は清浄を表します。
里芋
小芋がたくさんつくことから、子宝に恵まれるようにという願いが込められています。
ムチンが多く含まれています。
蓮根
孔が空いていることから遠くを見通せるようにという願いが込められています。
また見通しの良い将来になるようにという願いが込められています。食物繊維、ビタミンCを多く含むほか、疲労回復効果のあるムチンも豊富です。
祝い肴三種
これさえ揃えばおせち料理として体裁が整う、お正月を迎えることができると言われるものを言います。
この三種にお餅を揃えれば最低限の正月祝いができるというわけです。
ですから、逆にいうと、これらがないとおせち料理として成立しないわけですね。
正月の祝い膳の体裁が整っていないわけです。
この祝い肴三種は関東と関西では種類が違います。
関東
黒豆、数の子、田作り
関西
黒豆、数の子、たたき牛蒡
まとめ
ひとつひとつの食材に、こんなに様々な意味があったなんて、ちょっと驚いてしまいますね。
健康、長寿、子孫繁栄、金運向上、学問成就、そして将来の見通しをよくするものまで、至れり尽くせりで取り揃えられているお正月の縁起物の食材。
意味がわかると味わいも変わって来そうですね。
来年のお正月のためにしっかり準備して、それぞれの食材に込められた願いをしっかり噛み締めながらいただくとしましょうか。
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