年の暮れのご挨拶、お歳暮。
年始のご挨拶、お年賀。
季節の節目ごとにいろいろな慣わしのある日本ですが、この二つは時期が近いのでどうしたものか少し悩みます。
また、両親や親戚にもこういった贈答は行うべきなのでしょうか。
ここもすこし悩みのタネですね。
お歳暮やお年賀というものはそもそもどういうものなのかもう一度おさらいして、どうしたらいいのか考えて見ましょう。
お歳暮
お歳暮は、そもそもは、年越しに際して、歳神様へのお供え物を嫁いだ娘や分家のものが本家へ持ち寄ったことに始まります。
それが遠方から帰省できないようなときはその供え物を贈るようになり、やがて日頃お世話になっている親類、上司、取引先などにも贈られるようになったものです。
そこには加えて、かつての盆暮れ払いの暮れの払いの時に、日頃の感謝と新年も同様によろしくお願いしますという気持ちを込めた贈り物をすることとが一体化して現在のお歳暮の形になっていったものではないかと思われます。
「歳暮」とはそのとおり年の暮れを意味する言葉ですが、こうした年末の贈り物の呼び名として定着していきました。
お歳暮を贈る時期は、12月上旬から12月20日くらいまでです。
贈る相手は?
お贈りするべき人はどなたとなるでしょうか。
一般的には、次のように考えられています。
・いつもお世話になっている方
・結婚している場合はお互いの実家の両親
・上司
・仲人
・お礼の気持ちを伝えたい友人、知人
・兄弟姉妹、親戚
などの方々です。
基本的には同等以上の方に贈るものです。
しかし特に決まりごとがあるわけではありません。
仲人さんへは3年間でよいといわれています。
上司へのお歳暮は会社によっては社内の贈答を禁止しているところもありますから注意してください。
このほか習い事の先生が含まれるでしょうか。
お子さんの学校の先生へは一般的にはお贈りしないほうがいいと思います。
学校から先生に対し受取ってはいけないという指示があると思われますので。
金額はいくらくらいに?
金額はいくらぐらいを考えるべきでしょうか。
3000円から5000円程度のものがよろしいと思います。
特別にお世話になっている方へは10000円を超えるものをお贈りすることもあるでしょうが、目上の方に対しては5000円程度、それ以外の方へは3000円程度のものというのが無難です。
何を贈る?
何をお贈りするべきでしょうか。
かつては、本来の由来から、塩鮭、数の子、塩ぶりなどの魚介類が多く贈られていました。
特に鮭やぶりなどは年取り肴といわれ、長期保存も利くことから、お歳暮として好まれていました。
今はあまりそこにとらわれる必要はありません。
ただ、相手が好まないものは絶対に避けましょう。
たとえばお酒を飲まない方にお酒を贈ってはいけないでしょうし、コーヒー嫌いの方にコーヒーギフトなどというのもいただけません。
そうだとすれば、無難な年越しやお正月の一般的な食料品、お菓子など、また保存が利く調味料や石鹸洗剤といった消耗品もいい選択だと思います。
デパートのお歳暮フロアに行けばいくらでも選択肢がありますのでご利用なさってはいかがですか。
カタログギフトや商品券も人気がありますね。
お年賀について
お正月のご挨拶に伺う際に、歳神様へのお供え物として持参したものがお年賀の起源です。
いまはそれが年始のご挨拶の時の手土産に変わったものといえるでしょう。
元日からおそくとも松の内1月7日までの間にお届けします。
基本的には年始の挨拶にお年賀の表書きをつけた物を直接持参します。
お贈りする相手や、金額、内容などはおおむねお歳暮でご紹介したことと変わらないと考えられます。
ですから、お歳暮をお贈りしてあれば、よほどのことがなければ、年始のご挨拶の時にお年賀を持参する必要はありません。
逆に、なんらかの事情でお歳暮をお贈りできなかったときは、このお年賀で代えることができると思います。そのときは年末のご挨拶が行き届かなかったことを一言お詫びしましょう。
一つ注意点は、「お年賀」は年賀状と一緒で喪中の方には使えない言葉です。その際は「寒中お見舞い」や「寒中お伺い」としておきましょう。
親戚へのお歳暮、お年賀
親戚に対してお歳暮やお年賀を毎年続けていくのはどうかなあということがあると思います。
もちろんお世話になっているならば、また感謝の気持ちを伝え続けたいのであるならば、相手が親戚であっても贈り続けることになんら問題はないでしょう。
しかし過去からの成り行きで続けているのであれば、いつかのタイミングで終わりにしたいですよね。
突然やめてしまうのは抵抗が強いと思います。徐々に軽くしていく形はどうでしょうか。
贈るものの金額を抑えていけたらいいですね。
そして3年後くらいには年末の挨拶状だけになったらと思います。
そうすれば不自然でなく終わらせることが出来ます。
まとめ
お歳暮もお年賀も日頃お世話になっている方への感謝の気持ちをきちんと表すためには大事なことだと思います。
忙しい年の瀬ではありますが、失念することのないものにしたいですね。
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