都会の中心にいて、なんと富士登山を詣でることと同じ効果があるという場所があります。
そんな場所に行ってみませんか?
目次
富士山を模した富士塚の所以
大昔の富士山
大昔、数十万年前に、富士山は噴火を繰り返していました。
その頃すでに日本には人が暮らしており、巨大にそびえる山の噴火を見て畏怖したのです。
有史時代、800年(延暦19年)そして802年(延暦21年)に大規模な噴火が起こったと「日本紀略」に記録されています。
また864年(貞観6年)からの3年間にも噴火が起こり大量の溶岩が流れ出たとされています。
青木ヶ原
その溶岩の溜まったところが現在の青木が原です。
江戸時代、1707年(宝永4年)12月16日にも噴火が起こりました。
宝永大噴火として記録されています。江戸市中にも大量の火山灰が降下しました。
昼間でも夜のように暗くなっていたとされています。
農作物は甚大な被害を受けました。
小田原藩はほとんど壊滅してしまいました。
人びとはこれを神の怒りと考えたのです。
河口浅間神社
貞観の噴火のあと朝廷は神の怒りを鎮めるために神社を建立しました。
現在の河口湖町にある浅間神社です。
そして宝永大噴火のあとはその浅間神社へ参詣し、さらに富士山に登山し富士山自体に詣でる参拝客が溢れたのです。
この富士信仰がいってみれば加熱して、江戸をはじめとしていたるところに富士山を模した富士塚が作られるようになりました。
鳩森八幡神社の富士塚誕生
富士山に似せた人工の山または塚です。
実際に富士山の溶岩を運んで一部に埋め込んだりもしていました。
その一つがここでご紹介する鳩森八幡神社の境内にもあるのです。
鳩森八幡神社(はとのもりはちまんじんじゃ)
【所在地】東京都渋谷区千駄ヶ谷1-1-24
【アクセス】
・JR千駄ヶ谷駅から徒歩約5分、
・東京メトロ副都心線北参道駅から徒歩約5分
鳩森八幡神社と富士塚
860年(貞観2年)慈覚大師(円仁)が神功皇后、応神天皇、春日明神を奉り八幡宮としたとされています。
さてその境内にありますのが千駄ヶ谷富士と呼ばれ、東京都内では現存する最古の富士塚なのです。
1789年(寛政元年)に築造されました。
富士塚へ上ることは、実際の富士山への登拝と同じご利益があるとされていました。
当時は富士登山は女人禁制でありましたから、女性はこぞって富士塚参拝をしたのですね。
鳩森八幡神社の富士塚は標高6mながら本物を忠実に再現しているのです。
4合目には御影石の里宮(浅間神社)があり登頂の無事を祈願できます。
7合目には食行身祿(じきぎょうみろく)様が安置されている洞窟や烏帽子岩があります。
食行身禄さま
身祿様は江戸時代の宗教団体である冨士講の指導者でした。
1733年(享保18年)、63歳のときに、富士山7合目の烏帽子岩で断食の行を行い、35日後に入定しました。
入定とは即身仏となることです。
これはとてつもなく難しいことで、誰でもができることではありません。
観念上は死ではなく永遠の瞑想状態ということなのです。
日本で初めて入定しましたのは弘法大師、空海だとされています。
高野山金剛峯寺の公式見解では空海は死んでおらず瞑想状態にあるのです。
入定は明治期には法律で禁止されました。
木花咲邪姫
山頂には実際の溶岩が置かれそこには浅間大社奥宮が安置されているのです。
この奥宮には木花咲邪姫(このはなさくやひめ)が祀られています。
この美しい女神にあやかって女子力アップをはかろうという女性の参拝者も増えているそうです。
なにしろ神界で最も美しいとされている女神ですから。
またこの姫は安産、子育ての神様でもあります。
恋愛や愛情の縁そして家庭円満などの愛情運が向上するというご利益にあやかることができるのです。
しかしこの姫様には美しさゆえの悲しいストーリーもあるのです。
天照大神の孫である神に見初められ嫁ぐのですが、身籠った子の父親を疑われてしまい、その疑いを晴らすため火を放った産屋のなかで3人の子を産んだのでした。
その3人の内の1人の孫が初代神武天皇なのです。
神話ですが・・・。
富士塚山頂
さらに実際の山頂同様に金明水、銀明水そして釈迦の割れ石も置かれています。
鳩森八幡神社の鳩みくじ
無事登頂が済みましたら、鳩みくじを引きましょう。
おみくじが鳩の形に折られているのです。
目やくちばしや尾があるのですよ。
開いてみますと中に描かれた鳩が運勢を教えてくれるのです。
おみくじはこの他にも、蒔絵シールの入っている万福みくじ、英語、中国語、韓国語の外国語みくじがあります。
鳩の絵が描かれた可愛らしい絵馬もあります。
鳩森八幡神社の御朱印
御朱印もいただくことができますよ。
神社の名前を書いていただくものと、千駄ヶ谷富士登拝のものがあります。
鳩森八幡神社のお守りと将棋
御守りには王手守というものがあります。
「棋力が向上し、様々な局面で指し勝てますようご祈願されています。」
と記されています。
実はお隣の渋谷区千駄ヶ谷2丁目には日本将棋連盟の将棋会館があるのです。
本当に通りを挟んで向い側なのですよ。
多くの棋士が鳩森八幡神社へ参拝に、そして必勝祈願に訪れるのですね。
またこの神社の手水舎のすべての柄杓には、これを奉納した第15世永世名人大山康晴さんの名が入っているのです。
さらに高さ1.2mの大駒が六角堂のなかに奉納されています。
将棋堂です。
棋力向上絵馬
棋力向上絵馬もあります。
表には縁起のいい左馬が描かれています。
絵馬に目標を書くことはとてもいいことなのです。
特にこの富士山のパワースポットがそのまま息づいているこの神社で、絵馬を納めますと大変ご利益があるようです。
悪運を振り払い、心の迷いを浄化してくれます。
勇気や自信を持てるように、強いエネルギーでのサポートを得られます。
内面を磨き精神を鍛えてくれます。
まとめ
大地の気がいっぱいの開運スポットである鳩森八幡神社と富士塚。
勝負運も良くなるという場所です。
日頃の疲れも癒やしてくれそうですね。
新宿からも渋谷からもすぐそこにある都心のパワースポットでリフレッシュしてみませんか。
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