みかんの美味しい季節となりました。
みかんは日本の冬には欠かせない果物となっています。
そんなみかんの栄養や効能、皮の利用方法などをみていきましょう。
またオレンジとどう違うのでしょうか。
目次
日本のみかんの歴史
日本ではかなり古くからみかんの栽培が行われていました。
中国から九州へ渡来したものが現在の熊本県や和歌山県で栽培されていたのです。
安土桃山時代にはすでに商品作物となっており、和歌山から京都、大阪へ出荷されていました。
江戸時代になりますと大都市となった江戸はみかんの一大消費地でした。
江戸でのみかん人気
ある年、紀州でみかんが大豊作となったにもかかわらず、太平洋が時化のため、江戸への出荷ができないという日が続きました。
大阪商人にだぶついた商品を買い叩かれていたのです。
そこで、後の豪商、紀伊国屋文左衛門は紀州のみかんを買いあさり、なんとか輸送船を仕立てて、荒れ狂う海を江戸を目指して船出します。
死物狂いで航海を続けなんとか江戸へついたのでした。
みかんに飢えていた江戸では即日完売。
文左衛門は大儲け、そしてみかんを食べられた江戸町民から大変感謝されたのでした。
みかん人気を物語る伝説です。
あいにく後世の講談ネタで実話ではないようですが、いかにみかんが日本でよく食べられていたかがわかりますね。
このころ人気があった品種は今の温州みかんとは違い、紀州みかんといわれるものでした。温州みかんよりも小ぶりで、酸味が強かったようです。
人気の温州みかん
現在の温州みかんの栽培が盛んになったのは明治時代になってからでした。
中国の温州から伝わったことが温州みかんの名前となったようですが、植物学的には400年ほど前に鹿児島にて突然変異により発生した日本原産の果物とされています。
この温州みかんの種はよく突然変異をするようです。
明治中期からみかんの商品としての優秀さ、つまり作れば作るだけ売れるということから、みかん栽培に恵まれた気候の和歌山県、四国、九州そして静岡県での栽培が進みました。
戦後も勢いは止まらず生産量は拡大し一時は完全に需要を上回るほどになっていました。
なぜ日本ではみかんがこんなに人気なのでしょうか。
みかん人気の訳
古く江戸時代などは、いかにもこの日本らしくない爽快な味わいが受けたのでしょうね。
まるで南国の珍しいものを食べているような気になったのです。
みかん人気は農村部にも広まっていました。その頃のお百姓さんの楽しみは、このみかんを食べることと、緑茶を飲むことでした。
今とそんなに違いませんね。
時代が進んで現代でも根強いみかん人気の理由はなんでしょう。
みかんの栄養と効能
みかんの人気の訳を探っていきましょう。
冬のみかんの楽しみ
大きな理由は旬が冬だということです。寒い冬にこたつに入って、動くことなく、ナイフも食器も必要としないこのみかんをただひたすらもくもくと手で皮を剥いて食べ続ける、しかもテレビを見ながら、というのが日本人は好きなのですね。
日本の冬のなんともいえない楽しみなのです。
みかんの栄養
もうひとつ見逃せないのはこのみかんがなんとも栄養価に富んでいるということです。
ビタミンC は免疫力を高め風邪の予防効果があります。
クエン酸は新陳代謝を活発にし、体のエネルギーの源となります。
βクリプトキサンチンは骨粗しょう症の予防、糖尿病の進行防止、免疫力の向上、美肌効果を期待できますよ。
みかんの皮の効用
そして実は大抵は取り捨てられてしまう袋や白いスジにも栄養があるのです。
ペクチンは血糖値の上昇を押さえる効果があります。
ヘスペリジンは血流改善、コレステロール抑制に効くのです。
βカロテンは美肌、アンチエイジングの効果があります。
ビタミンBは脳や神経の活動を正常に保ち糖質脂質の代謝を促してくれるのです。
カリウムは腎臓の機能を正常に保ちます。
みかんの皮の利用方法
みかんの皮も利用できます。陳皮という漢方薬になるのです。
みかんの皮をお湯でよく洗い水分をふき取って天日でよく乾燥させてください。
カラカラになったら細切りにしておきます。
熱いお湯を注いでみかん茶にして飲んでください。
風邪の予防になりますし、胃腸の調子を整えてくれます。
また布袋に入れて湯船に浸すとみかん風呂となります。
いい香りがしますし、神経痛やリウマチに聞くそうですよ。
みかんの保存方法
みかんを保存するときは、まず全てのみかんを点検して傷んでいるものがあったら処分してください。
風通しのよいざるやかごに逆さ向きに入れましょう。
へたのあるほうが重いので下にしておいたほうがいいのです。
常温の冷暗なところへ置いておきましょう。
冷蔵庫へ入れると風味が損なわれてしまいます。
みかんを食べていい一日の量は?
みかんを1日にどれだけ食べてもいいかということになりますと、一般的には3個くらいまでって言われていますけれど、それで止まりますか?
肌がよっぽど黄色くなったり、下痢をしたりということがない限りは好きなだけ食べてもいいんじゃないですか。
大丈夫ですよね。
みかんとオレンジの違い
みかんとオレンジはどう違うのでしょうか。
みかんもオレンジも元々はインド原産のクエン酸を豊富に含む柑橘類です。
みかんはインドから中国方面へ、オレンジはインドから地中海を通ってヨーロッパそしてアメリカ大陸へと広まっていったようです。
違うところは、日本の温州みかんは皮が薄くて手で簡単に剥くことができますが、オレンジはそうはいかずナイフが必要ですね。味わいはオレンジの方が味が濃く、みかんはオレンジに比べれば薄味といえるでしょう。
ただしカロリーは温州みかんの方が高いのです。
温州みかんは実の中にほとんど種がありませんがオレンジにはあるようですね。
温州みかんに種がないのは、受粉させなくても実がなるという性質を持っているためだそうです。
種がなく食べやすいのが大きな特徴ですね。
皮の厚さの違いは生育環境から来ているようです。
オレンジは乾燥した地方で成長するので皮が厚く水分を逃がさないようにしているのです。
日本は多湿地域ですから皮が薄くても大丈夫なのですね。
まとめ
さあ、今年の寒い冬もみかんをたくさん食べて、健康を維持して、元気に過ごしましょう。
でもこたつに入ってばかりいてはいけませんよ。
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