寒天はノンカロリーなので、最近特に注目されるようになっています。
また、便秘などにも良い効果をもたらします。
寒天をもっと気軽に使っていきたいですね。
目次
寒天の由来は「ところてん」に!
「ところてん」って、知っていますか?
漢字では「心天」って書きます。
実は寒天の由来は「ところてん」にあります。
ところてんは中国から製法が伝わり、平安時代にはすでに食べられていました。
しかし、寒天ができたのは、江戸時代になります。
江戸時代の初期に山城国伏見(京都)での寒い日のことでした。
ご馳走の残りのところてんを家の外に干したところ、朝になってみたら、真冬の寒さでところてんは凍っていました。
そして日中には自然にとけて、乾燥したのです。
それは、白い半透明の美しい乾物ではありませんか。
それを見た主は、試しに煮てみました。
すると、どうでしょう。
ところてん独特の臭みも感じない、透明のかたまりだったのです。
この出来事が寒天誕生の始まりです。
その当時の寒天の名前は、「ところてんの干物」という名前でした。
面白いですね。
その後、中国から帰化した和尚がこれを食べ、寒い冬の日につくっていたので「寒天」と言われたということです。
ですから、寒天は元は、ところてんから出来た日本特有のものだったのです。
寒天の原料と製法
寒天は100%海藻からできています。
原料は紅藻類で、主にテングサ、オゴノリになります。
一般的には、角寒天(棒寒天)はテングサやオゴノリなどが使われています。
糸寒天(細寒天)は、テングサ100%、粉寒天はオゴノリから作られることが多いです。
また、寒天はその製法によって、2種類に分けることができます。
角寒天や糸寒天などの天然寒天と、粉寒天の工業寒天になります。
天然寒天
水につけた原料を洗い、おごのりなど他の海藻を足します。
天草、おごのり等を煮溶かしてから液をこし、それを冷やすと「ところてん」です。
それを凍らせて、乾燥させ、箱に入れて固めます。
その固めたものを角柱状や細切りして、冬の寒さの中で凍結させたのち、低温解凍にします。
この行程を繰り返して仕上げます。
天然寒天はこうしていくと、水溶性の不純物が取り除かれて、純度の高い寒天になります。
冬の気候の中で作られるので、寒天の出来が天候に左右されやすく、品質に差が出てきやすいのです。
粉寒天
粉寒天は工場で作られ、季節や天候に左右されないので、一定の品質を保てます。
こうして、粉状やフレーク状の寒天になります。
これらは、羊かんやジャム、ヨーグルトなどに使われたり、安定剤として加工食品に使われたりします。
他にも化粧品や醸造用、医学用にも微生物の培養に使われたりします。
寒天は長野県が有名だけど、海がないのにどうして?
寒天の原料は海草なのに、海のない長野県で寒天が作られるのはどうしてなのでしょう?
それは寒天をつくる場合は、気温の低いところが良かったからです。
長野県の寒さの厳しいところが寒天の製造に適していたためなのです。
現在、寒天は長野県の茅野市を中心とした地域で作られています。
茅野市は夜間の気温が零下2~3度以下になります。
また、地下水の純度も高いので、これも寒天の製造に適しています。
そして、現在では寒い時しかつくれないのでは、ということで工業寒天というのがつくられるようになりました。
寒天の種類のまとめ
寒天の種類としては、以下の3種類があります。
<角寒天>
棒のような形をしているので、棒寒天とも呼ばれています。
天然寒天です。
<細寒天>
こちらも天然寒天です。
<粉寒天>
こちらは工業寒天になります。
寒天の使い方
角寒天1本につき水350~400ccの割合で加熱し、溶かします。
角寒天1本と同じ量の細寒天は25~26本です。
手順は、寒天は水で洗ってゴミを取り、水につけます。
時間は30~60分つけます。
粉寒天は5分間くらい水につけます。
(これは直接入れても可。その場合はよく掻きませること。)
それから加熱します。
とかした容液に別の材料を混ぜるときは、火からおろして鍋の底を冷やします。
(鍋の底に水をつける)
そして、かきまわしながら、型に入れて冷やし固めます。
自然にかたまりますが、冷蔵庫に入れると早く固まります。
冷蔵庫では、だいたい40分くらいで固まります。
自然に固まるのを待つと、60分くらいかかるでしょうか。
また、容器は水に濡らしてから流し込むと、取り出しやすくなります。
まとめ
寒天を使って、いろいろなデザートやお菓子を作ってみましょう。
寒天は、腸内の老廃物や毒素を体外へ排出する役目があります。
便秘などにも良く、ノーカロリーです。
鉄・ヨード・カルシウムを含んでいますので、健康のためにも寒天を使って、おいしくいただきましょう。
たくさん活用していきたいですね。
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