今、政府は働き方改革の取り組みを進めています。
少子高齢化が叫ばれ、これからの高齢化時代をどう乗り切っていくのか社会のあり方が問われています。
このまま生産年齢人口が減っていくと予想される危機に直面して、国全体の生産能力の低下を危惧しています。
どうしたら働きやすくなり、それぞれの能力を発揮していかれるようになるのでしょうか?
目次
「働き方改革」の呼び声
数年前から長時間労働の実態も問題なども出てきて、見直すようになってきています。
少しずつではありますが、社会の意識が変わり始めています。
また安倍晋三首相は、「一億総活躍社会」を実現することをかかげ、取り組もうとしています。
それで「働き方改革」の呼び声がかかったのです。
育児や介護などを担いながら、働くことのできる社会を目指そうとしています。
会社や企業の意識はまだまだなところもありますが、変わってきているところもあります。
「働く環境と理想の上司に関する調査」
先日ランスタッド(株)が働くことについての意識調査を行いました。
20歳~69歳の1,800名のデータをまとめたものです。
その中でそれぞれの働き手の意識を探ったのです。
理想の上司や勤務先に関する調査を現在働いている働き方改革真っ只中のビジネスパーソンと2019年新卒入社内定者111名の調査結果でした。
その結果、全体を通して働く上での意識やこれからの者と今働いている者との意識が違う部分も浮き上がっていました。
【ランスタッド・ワークインサイト】理想の上司/職場環境に関する調査
調査概要・結果について
・直属の上司の理想の年齢
内定者、社会人ともに年上の上司がいいと思っており、社会の通年だからそう思うとのこと。
今までの考え方のあり方というものが根強いな、と感じました。
・上司の性別について
上司の性別については性別問わず男性に軍配が上がっています。
内定者の方が若干どちらでもいいという人が多いようではありますが、やはり男性上司がいいようです。
内定者では「男性上司の方が厳しくなさそうだから」が上位に。
社会人では今の職場では女性上司が少ないということと、「女性上司がなんとなく嫌」、「女性は頼りない」が上がっていました。
社会人は現役で今働いているからこその本音が垣間見えました。
男性はやはり同性同士の方が離しやすさを感じているようです。
また女性内定者では「職場でもときめきを感じたい」とかが多いのが面白いと思いました。
これは女性社会人では1%しかいません。
女性内定者では25%でしたから。
また、女性内定者や若い女性では「異性の方が厳しくなさそう」というのもあり、これも面白いと思いました。
・直属の上司に期待すること
直属の上司に期待することとして、全体が「正当な評価」をあげていました。
・理想の上司像
理想の上司像としては、全体に「人として尊敬できる」が上位にきていました。
・勤務先の選択基準
勤務先の環境はどんなところであってほしいか、というところに関しては、やはり「良い雰囲気」「やりがいのある仕事」が上がっていました。
当然ですが、女性は「ワークライフバランス」「福利厚生」を非常に重視しています。
勤務先の環境に望むものとしては、「有給の取りやすさ」、「柔軟な働き方」があげられていました。
とくに女性では、「子育てや介護中にも働き続けられる」が約6割あげていました。
しかし男性ではこの項目が少ないのは、やはり役割分担の考え方が根強いことがわかります。
また全体的に見て、年代が上に上がると、仕事に対する考え方が違ってくるようです。
このことからもわかるように若手の社員とのギャップが出てくるようです。
ですが若い内定者に「社会の通例」が強く根付いているのは、この年代の親・両親から言われていることとも関係しているように思われます。
働く環境と理想の上司に関する調査発表
このアンケート結果を基に大学卒業内定者と今一番先を行っているであろう企業の対談を行いました。
その中で今、最先端の働き方を行っている企業「ソウ・エクスペリエンス株式会社」の社長である西村氏が働き方を紹介してくれました。
どんな働き方ができる会社なのでしょう?
新時代の働き方例
ソウ・エクスペリエンス株式会社の働き方
「体験ギフト」というモノではなく「体験を贈る」という事業をおこなっている会社です。
この会社の働き方はとても柔軟になっています。
「平成30年版少子高齢化社会対策白書」で「子連れ出勤」のモデルケースとしてとりあげられました。
西村社長は7歳と5歳のリアル子育て世代。
イクメンパパの先進です。
西村社長が立ち上げた会社は、当時社員が5人ほどしかいない中、子連れで出勤したということです。
そんな西村社長の会社も今や70名ほどの社員をかかえるまでに成長。
そのままずっと子連れOKという職場になっています。
みんなで子供を育てるような勤務先になっています。
職場のみんなは挨拶を欠かすことはなく、ランチタイムも和気あいあいです。
また職場の特徴は、子連れ出勤というだけでなく、何事にも「寛容」ということです。
自分たちも会社も生き残る、長い間働いてもらうには、人それぞれの興味、関心が大事だといいます。
興味MAXで入ってきた人には、今までの会社というあり方のフルコミッションでなく、半分コミットでも働いてくれればOKという立場ととっています。
これは大変ありがたい働き方の会社ですね。
今までの会社は「こうでなけれなならない」という考えの所がほとんどでした。
「モーレツ社員」が歓迎されていました。
それがフルコミット前提の働き方でなくてもOKというのは、うれしい考え方です。
子供が小さいけれど、働きに来てくれてOKなんです。
私の知り合いにも「小さな子供がいる」と言ったら「入社はNO」だったと残念そうに言っていた人がいます。
実は長く働いてくるということは企業にとってもメリットが大なんですね。
社員のトレーニングのコストがかかりませんし、社員の実績やスキルも上がります。
働いた半分でもその半分を100%でやりきれば、やるときはやればいいのです。
そして西村社長はまた、提案があれば基本的には、NOを言わないそうです。
どんな意見にも耳を傾けて見る、という柔軟な姿勢の表れかと思います。
内定者の意見
その対談にいた内定者の一人は、「長く働かない」という意見の学生がいました。
それはどうしてかというと、「会社の方針が変わること」をあげ、また社会の中で生きていくと周りの環境も自分自身も状況が変わることをあげていました。
確かにそうだな、と思います。
最初に約束はできないけれど、結局は会社の方が柔軟に捉えてくれて、結果、気がついたら長く働いていた、というのは理想ですね。
内定者の意見に対して
先の西村社長もそう言われていました。
しかし、現状ではもし会社の上司に「長く働くつもりはない」などと言ったら、感じ悪く受け止められてしまいかねません。
そこのところもしっかり西村社長は意見していました。
10年いても刺激のある仕事であって、やりがいを感じられたら長くいたくなりますよね。
そして比較的柔軟で働きやすければ理想的です。
また、コミュニケーションの重要性もあげられていました。
声かけは重要です。
「Good News」はいっぱい聞きたいし、「Bad News」は早くと言われていました。
失敗って隠したくなるけど、「言ってもいいよ」と言われたら、どんな気持ちになるか、内定者に聞いたりしていました。
みなさん、心に余裕が持てる、とか心がほっとするとかの意見が出ていました。
自分の中でリスクがとれるので、次に挑戦するエネルギーが出てくるということでした。
大変、重要なことのようです。
とかく昭和のモーレツ社員の人間は「若手の甘やかしになる」とかいう意見が多いこの手のコミュニケーションですが。
今はそうでない、新しい物事の捉え方が必要な時代だと感じます。
会社の目標と評価の管理
この経営に効くHRBrainの堀社長も登壇。
人に燃えてもらうための仕掛けを評価制度のIT化で提案できるのだそうです。
個人の頑張りがどのように見える化していくか、やる気やコミュニケーションを生かしながら活躍する社員を育てるのに一役かっているのです。
面談のメモも残せますし、全体の目標のオープン化をすることによって、直接話していなくてもわかり合えたりすることもあります。
この活用は、とても柔軟にそれぞれに対応して変更していけるところが凄いです。
何をどこくらい頑張ればいいのかわからなかったことが、可視化することによって、どのように労働生産性があがっていくのかわかるようになりました。
上からの命令でやらされるのではなく、管理されているのでなくできるような仕掛けがいいということを意識しているということです。
まとめ
各々の企業もいろいろ取り組みはじめています。
どのようにしたら、働きやすい社会になるのか。
日本の社会がこれからどういうふうになっていくのか。
試行錯誤しながら、どう活かしていけばいいのかをみんなで考えていくのは大事ですね。
人それぞれの興味関心に沿って、行動してみることは大いに賛同します。
それにはITは行為・行動をサポートしてくれます。
平成の時代も終わり、新しい世紀へのスタートを目の前に改革は進みます。
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