昨年、野良猫にかまれてしまった女性がマダニが媒介するウイルスに感染し、亡くなったのを知っていますか?
これまでにも感染症にかかった人はいますが、、日本国内では動物から人へ感染したというのは初めてだということです。
それでも、近年では繁殖拡大が懸念されています。
治療薬もないという感染症ですから、とてもコワイですね。
ダニにもし刺されてしまった時はどうしたら、いいのでしょうか?
目次
マダニとは?
世界には800以上の種類のマダニがいます。
そして日本にいるマダニの種類は47種類にも及びます。
ダニは足が8本ある節足動物で、蜘蛛の仲間になります。
一般に家の中で見られるダニとは違います。
マダニは野山に生息していて、畑、草地などにもいます。
マダニは幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長していきます。
そのたびに1回ずつ吸血し、生涯で3回の吸血行動をします。
ダニ類は、長時間吸血するのです。
なかには10日間も吸血することがあるといいます。
ダニの成虫は3mm~4mmですが、血を吸うと1cmくらいになったりします。
メスのマダニは2,000~3,000個の卵を産みます。
動物の体の熱や発する二酸化炭素、動きの振動などを感知してすばやく乗り移ります。
コワイですね~!
![マダニ](https://topitane.net/wp-content/uploads/2017/08/a8d5a6f5141faf18589688678138e3b7_m.jpg)
吸血する相手は、野山のいろいろな動物です。
人間の他、野うさぎや鹿、イノシシなどの他、野ネズミ、猫、犬などにも吸血します。
マダニの活動が特に活発な時期があり、その時期が春~秋にかけてです。
人も活動的になる時期です。
この時期は油断なりませんね。
マダニが媒介する感染症
日本紅斑熱、つつがむし病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ライム病などがあります。
マダニに感染して死亡するのは、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症することが多いです。
マダニに刺されるとこんな症状が・・・
マダニに刺されると、最初はかゆみや少しの痛みです。
が、だんだん吸血してダニが大きくなると、血豆やデキモノのようになったりします。
重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)
ダニに刺されてから6日~14日間くらいがウイルスの潜伏期間で、発熱、嘔気や嘔吐、腹痛や下痢、下血などをおこします。
腹痛や筋肉痛として自覚されることもあり、神経症状や出血症状などを伴うこともあります。
SFTSは、5~8月が発症のピークになり、2013年からの患者数は232名です。
日本以外では、中国や韓国で患者の報告があります。
つつがむし虫病
つつが虫病リケッチアという病原体を保有するツツガムシに刺されて感染するものです。
潜伏期間は5~14日になり、全身倦怠感を感じたり、食欲不振や頭痛、悪寒や発熱などを伴います。
熱は40度くらいにも達することもあります。
皮膚が柔らかいところに刺されることが多いダニです。
刺されたところは、腫れてきて3~4日で発疹が出来たりします。
北海道を除く全国で発生があります。
重症になると、肺炎や脳炎になってしまいます。
日本紅斑熱
潜伏期が2~8日で、頭痛や発熱、倦怠感などがあります。
発熱もあり高熱になることもあります。
日本紅斑熱も発疹があり、つつがむし病との判別が難しい感染症です。
ダニ媒介脳炎
潜伏期間が7~14日で、発熱、筋肉痛が見られ、インフルエンザのような症状になります。
これが2~4日続いて、その後髄膜脳炎をおこすことがあります。
致死率は1~2%とのことですが、神経学的な後遺症が10~20%みられます。
回帰熱
感染すると、発熱や頭痛、筋肉痛がみられます。
回帰熱は、動物から直接感染することがありません。
マダニ類に噛まれることで発症します。
猫や犬などに寄生
![野ウサギ](https://topitane.net/wp-content/uploads/2017/08/09c123c6230d4ad53e805ae6ca0ffcd2_m.jpg)
マダニは人以外に野ネズミや野ウサギ、シカ、イノシシなどの野山に住んでいる動物を吸血しています。
![野原で遊ぶ犬](https://topitane.net/wp-content/uploads/2017/08/800c18d277e39d7594914391540f2693_m.jpg)
ペットである犬や猫にも吸血するので、犬や猫の様子にも気を配りましょう。
また、知らない犬や猫には十分に気をつけましょう。
怖い野生動物の侵入
野生動物にはダニが寄生している可能性が大きいです。
それらが住宅地に侵入してきて、ダニをばらまくことが心配です。
![キョン](https://topitane.net/wp-content/uploads/2017/08/504a14a11c11c51e482f3527fb4bd4ad_m.jpg)
千葉県では野生の「キョン」が大繁殖していて、苦慮しています。
決して近寄らないようにしましょう。
子どもにもよく言い聞かせる必要があります。
マダニから身を守るために
野外へ行く時
野外へ行く時は長袖長ズボンで、肌の露出を少なくします。
首にはタオルを巻きます。
上着や作業着は明るい色の方が目視で確認しやすいので、おすすめです。
野外での活動の前には、虫除け剤として、ディート成分を含むものを噴霧しましょう。
野外から帰ったら
作業着などは家に入る前に脱ぎましょう。
衣服をよく払い、家の中にダニが入り込まないように注意します。
屋外で活動した後は、ダニが付いていないかよくチェックしましょう。
帰ったら、入浴してチェックするのがいいでしょう。
マダニが肌についていないか特にチェックするべき所
・脇の下
・足の付け根
・手首
・膝の裏
・胸の下
・頭部
・髪の毛の中ほど
マダニに噛まれたら
マダニは長期に渡って吸血するのですが、無理にマダニを取り除かないで、皮膚科の医療機関で取ってもらうほうが安全です。
無理に取ろうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残ってしまうことがあるからです。
これが感染を助長したり、皮膚の化膿をおこしたりする可能性があるからです。
また医療機関を受診の際には、野山や草むらに行ったことを伝えましょう。
まとめ
近頃は本当にいろいろと注意が必要なことが多いですね。
ダニも身近なものです。
正しい知識をもって、対処していくようにしましょう。
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